四川まみれの覚え書き

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zoom RSS 2012年夏の四姑娘山群登山―小溝・仙人峰編。

<<   作成日時 : 2012/09/02 00:47   >>

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さて、ようやく登攀の記録に入ります。

今年登ったのは、去年ぼくも途中まで登って下山した5062m峰あらため仙人峰と、小溝奥にそびえるドーム状岩壁を擁する5360mの麗人峰(本峰は5422mの観音峰)。

それからもう一つ、これはぼくは体調不良のため参加していないのですが、隊の別の4人が仙人峰の上流側の隣に位置する5450mのChibu(Qupu)の第二峰に登頂しました。詳しくはまた。


今回は、仙人峰登攀の模様をお送りします。まずは去年と同じ小溝に入るところから。

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王さんの宿にて、地元のポーター達に担いで上げてもらう荷物を整理。毎年の物価高騰で、今年はさらにポーター料も跳ね上がってます。貧乏人には辛い…。

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例によって吠えまくる小溝入り口の放牧小屋の番犬。ここのおじさんは王さんの一番上のお兄さんだって、去年書いたような書いてないような。

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花の写真など撮りつつ、小1時間ほどの急登をサクサク歩く。

ベースキャンプを置くのは、去年と同じ岩屋の下。屋根も高くて焚火もできる、まさに楽園。
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ベースに着いてホッと一息のコック兼BCの主・姜峰さん。料理の腕にますます磨きがかかってました。


まずは最初の目標、仙人峰。
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今年は、小溝入山が7月22日。23・24日と悪天のため停滞。行動開始は25日から。

25日は仙人峰取り付きまで1時間の草地にABC(アタックベースキャンプ)を設営。プラス取り付きに登攀道具をデポ。久々の重労働に若干体がついてきてませんでしたが、一晩寝たら回復しました。
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地元のポーターの中でも最も頼れる王金富さん。我々パーティーは、67歳が二人に34歳が一人。あんまり王さんに荷物を押しつけると、「お前若いんだから、ちっとは担ぎやがれ」と文句を言われる。すんませんでした。

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「重すぎる!」とブーブー言いながらも、王さんがBCから持ってきてくれた姜さん特製カレー。今回の山行では、BCからABCへの「出前」という制度が誕生しました。メニューはカレー、野菜炒めごはん、鶏(ホール茹で)など普通の山登りではありえない豪華絢爛さ。


さて、26日は朝から微妙な天気でしたが、天気回復を期待して、早朝からアタック。
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去年の登攀(1〜6ピッチ目)についてはコチラ↓
http://fly-fly-birdmen.at.webry.info/201109/article_2.html

今回は去年のようにニセの取り付きに惑わされることなく、なかなかスムーズに登攀が進みました。ぼくはひたすら荷上げ。荷上げにも相応の実力が必要なのではないか、と思い始めた今日この頃。ほんとかどうかは知りませんが。体力は無理やり捻り出す感じです。

去年行ったとこ全部はしょるのもアレなんで、3ピッチ目終了点で休憩する大ベテラン大内・米澤両氏の写真でも。
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去年のビバークサイトだった6ピッチ目終了点からさらに1ピッチ。ザイルをつなぐ大ベテラン二人。
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7ピッチ目終了点から少し上がって10mほどバンドを移動したところで(これが8ピッチ)、ビバーク。足をゆっくり伸ばして横になれるくらい広々としたスペース。岩場のビバークサイトとしては珍しい場所でした。ゴアテックスのツェルトも内側に全く水滴がつかない優れもので、快適なビバークでした。


翌27日。夜半からの雨がシトシトと続いており、岩もびしょ濡れ。この日は小雨ながらも止むことなく降り続け、よもやの停滞。止みそうで止まない、晴れそうで晴れない思わせぶりな天気に対して、「まったく、揩スけた花魁みてぇな天気だな」とは大内さんの言。揩スけた花魁に手玉に取られた過去でもあるんでしょうか。ないだろうけど。
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↑ツェルトの中に人間が二人入って寝てます。

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中はこんな感じ。こんな感じつってもよく分かんないけど。いや、まあ確かに狭いですけどね。これでも快適なほうなんですよ。

メシを食うか寝るくらいしかやることがないと思いきや、なんと米澤さんが音楽(MP3?)プレーヤーなるものを持ってきており、3人でツェルトをかぶって音楽鑑賞。外はガスって雨も降ってるけど、ツェルトの中は快適。しかも音楽つき。普通だったら辛くて不快な岩場での停滞が、なんということでしょう、我が家のソファーに大の字に寝転がってるような気分。ほんとは体操座りとかしてんだけど。「明日雨だったら下りようね」みたいな後ろ向きな会話ばっかしてんだけど。


さて我慢の停滞が明けて28日。早朝ツェルトから頭をだすと、空が晴れてました。しかも快晴。こうなりゃこっちのもんです。昨日の後ろ向きな会話はどこへやら、元気溌溂で行動開始する三人のおじさん達。

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ご来光!

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真横に見える前衛峰(峰というより台。ゴッツイ浮石をみっちり搭載してる)も、朝日を浴びて黄金色。


やる気満々で登攀開始。ここから上はほとんど難しい部分はなく、人工登攀もなくてザイルもガンガン伸ばせました。

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10ピッチ目終了点でビレイ中の米澤さん。右から針峰、Daogou(小溝最高峰)、観音峰及び麗人峰が見えます。ちなみにBCからは我々が登ってるのが丸見え。

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12ピッチ目あたりで見えたブロッケン。

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大内さんとぼくがブロッケンに夢中になってる間、米澤さんは黙々と確保支点の工作に夢中。

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13ピッチ目。このあたりはほとんど、テラス・バンドを縫うようにトラバース気味に登っていきます。

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ピークが見えてきました。ここらへんから、ガラ場続きで予想に反して技術的に難しいところはほとんどなく、スムーズに進めました。


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最終ピッチを登る米澤さん。あと25mでピーク直下4mに到達。


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周りがガスってますが、これがピーク。このあとガスが上がり、おじさん達のテンションも上がったわけです。午前11時すぎ、登頂です。

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登頂スタンディング!5062mに1.6m追加してやりました。というか、踏めるスペースがちょっとしかなかったので、とても怖かったです。撮ってもらうときに「こっち向け」って言われましたが、怖すぎて無理でした。高度と疲労でフラフラしてるしね。もうこんなバカなことは二度としません。たぶん。

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二人の大ベテランも、まずは1本登頂してご満悦。未踏の岩壁を登りきった喜びは、どんなに年齢と経験を重ねても変わらないものです。

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ピークの向こう側は、長坪溝。その長坪溝の名峰・四姑娘山と神山(プニュー)が並んで見えます。感激の一言。


小1時間ほど、写真を撮ったりGPSで北緯東経を測ったりしたあと、下降。下降は登ってきた同じルートを懸垂下降で下るだけ。ルート取りは真っ直ぐが大内・米澤コンビの基本。なので下降が楽。

下降中、岩角にカメラの液晶をぶつけて駄目にしてしまったため、下降中の写真はなし。取り付きには16時すぎに到着。全18ピッチの素晴らしいルートを完成できました。ルート名は「168ルート」。単純に三人の年齢を合計したら168歳になった、というだけですが、1・6・8はいずれも中国では縁起のいい数字なので、これに決定。ちなみに読み方はちょっと洒落て「いろは」と読みます。

ルートはざっとこんな感じです。
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詳しい登攀記録は、そのうち某登山雑誌に掲載されるんじゃないかと思います。あ、それ用のルート図つくるの、ぼくの仕事でした。そういえば。

とりあえず、これで仙人峰の登攀は終了。

2日ほど休養したあと、今度は麗人峰の登攀に取りかかります。

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コメント(2件)

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すごいっ!!いやぁ〜感激しましたデス。
chicca
2012/09/02 14:07
ぼくも登頂のときの感激が忘れられません。そんでもってさらにこのあと別のも登っちゃうんだから、欲張りなもんですね^^
次もご期待下さい。
ムロヤ
2012/09/02 22:38

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